家事代行・家政婦サービスっていつからあるの?将来の展望についても解説
~家事代行サービスの歴史~
世界の家事代行のルーツは「古代ギリシャ」にあると言われています。中世ヨーロッパでは女性がメイドとして仕えるのが慣例で、現在も欧米諸国やアジアの一部の地域では当たり前のようにメイドを雇っています。世界の先進国では当然のようですが、日本にも昔から「家政婦」の存在がありますよね。
なお、日本で最初に家事代行サービスが始まったのは昭和60年。当時は高度経済成長の真っ只中だったこともあり、いわゆる「富裕層を中心」としたお客様に対してサービスが展開。その後現在までの30年の期間を経て、サービスメニューなどが改良され、徐々に全国各地にサービスが根付いていったようです。
それでは、次に家事代行サービスの利用背景と今後の展望についてみていきましょう。
~家事代行サービスの利用背景~
我が国では近年少子化が進み高齢化社会へと歩みを続け、もはやその対策は国を挙げての課題となっています。内閣府の統計によると、平成28年10月1日現在、総人口は1億2,693万人。その内、65歳以上の高齢者人口は、3,459万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も27.3%と非常に高くなっています。これは、今世紀半ばには実に3人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎える計算です。併せて核家族化や未婚化、晩婚化が進むことによる単身世帯の増加、更には女性の社会進出に伴い共働き世帯の増加など社会構造の変化が著しくなっており、利用層は今後多様化すると予測されています。
~規模は将来6,000億円に~
そういった背景の中で、家事代行サービスは将来の成長市場として期待が高まっています。矢野経済研究所による国内の家事代行サービス市場規模は、2015年度は前年度比104%の853億円、2016年度は同103%の879億円(※利用者支払金額ベース)と、前述した社会構造やライフスタイルの変化、政府の対策など様々な要因を背景に益々需要が拡大しています。経済産業省が2014年に公表した資料「家事支援サービスについて」によると、家事代行サービスの市場規模は将来的には2015年度の約7倍にあたる6,000億円まで成長すると推計され、今後さらなる市場成長が見込まれています。6,000億円という規模は、簡単に例えるなら現在の回転寿司市場の規模と同等です。そう考えると、だいぶ身近な存在になりつつあることがおわかりになるのではないでしょうか。
しかし、その市場が拡大する一方で、参入企業も多く各社の競争は激化しており、新事業として家事代行サービスを立ち上げる大手企業もここ数年で目立つようになりました。家事代行サービスを提供している事業者数は、2006年時点で約200社、現在はその3倍の600社以上の登録があります。家事代行サービスへの需要や期待が高まるなか、利用者の満足を得られるサービスを提供するためには、最新の技術や質の高いマナーなど、プロの仕事が求められてくるでしょう。さらに他国と比べると、日本ではまだ他人に家事をしてもらうことに抵抗のある人が多いことも事実です。家事サービスを提供する事業者は、より安心かつ安全に利用できることを利用者に周知し、信頼してもらうことが重要なのではないでしょうか。一方で、高品質のサービスが求められることもあり、各事業者においては人材不足が大きな課題となっています。需要が拡大傾向にある中、人材の供給が追いつかない状況が続いているのです。人材の確保は当面の課題と言えるでしょう。
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