家事代行・家政婦サービスで働く外国人について解説!「外国人の家事代行解禁」について
日本国内で外国人をみかけることは極々一般的になりました。街中ですれ違うだけではなく、店頭スタッフとして働く外国人と言葉を交わす機会も10年前に比べたら格段に増えたのではないでしょうか。例えば都心のコンビニエンスストアでは半数が外国人スタッフの店舗もあるくらいで、日本語は流暢、サービスは丁寧、と日本人より安心できるほどに溶け込んでいてびっくりします。そんな近年の外国人の雇用状況を家事代行サービスの観点から見てみましょう。
まずは行政上の仕組みから。皆さんは外国人の家事代行サービスへの就業が2015年に初めて国から認められたことをご存知ですか。「外国人の家事代行解禁」とニュースにもなりました。何故ニュースになるかと言えば、それまで家事代行業務は「単純労働にあたる」とされ就労許可がおりないため『在留資格』が得られず、日本での入国・在留が認められていませんでした。つまり国から反対されていた!それが今回、国家戦略特別区域制度(※注1)を利用して、家事支援外国人受入事業の認定を受け、就労する外国人に『在留資格』を付与できるようになったわけです(※注2)。否定から反転し推進体制へ。外国人雇用への期待が国から投げかけられたのです。とは言え、地域限定だったり許可条件が厳しかったりと実験的な要素も強く、普及には時間がかかりそうですが、国の支援を得たことで業界にプラスの作用をもたらすことは間違いありません。
※ 注1⇒2013年創設した特定地域で集中的に規制緩和等を行い経済の活性化を図る仕組み。今件では東京・神奈川・大阪・兵庫・愛知が該当。
※ 注2⇒第三者管理協議会による確認を受けた業者の下、条件を満たし就労する外国人に対し付与される。東京都では6社認定。
では、実際の現場はどうでしょうか。もちろんそれまで外国人スタッフがいなかったわけではなく、現在も活躍中の方はたくさんいます。ただ上記とは『在留資格』が異なり、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」と言った就労に制限のない在留資格を既に得ている方達が働いているのです。有償の家事文化が浸透している外国人にとっては馴染みやすく働き甲斐のある職種と言えるでしょう。家事スキルさえあれば身一つで動けます。しかし家庭内へ他人が入ることに抵抗感を持つ日本人には中々高いハードル。家事代行サービスは安心も売り物ですから、在留資格に加え、家族構成・日本人の保証人有無・会話レベル・家事スキル・人柄等、各社は独自の規定条件を課しクリアしたうえで雇用し紹介するのです。採用条件は他業種より厳しいかもしれませんが、そのメリットとして長期就業と高時給、そしてお客様と同じように安心が得られるため、人気は高まっています。
さて今回、家事代行サービスが外国人に解禁された背景には、「女性の活躍推進/外国人材の活用」と言った経済政策の後押しがありました(日本再興戦略改定/2015)。人口減少に伴う労働力不足は経済の停滞化を招き現代の大問題です。そこで社会進出著しい女性達を主婦層まで進出できるよう、家事の軽減に着目し、そこに同じく進出著しい外国人をも取り込む仕組みが出来上がったわけです。事実、家事代行サービスのニーズは高まり、市場規模は980億円と前年の20%増、将来的に6000億円規模の成長が見込まれる業界となってきました(経済産業省/2012)。故に人材確保は最大課題であり、即戦力となりうる外国人スタッフは重要な人材となっています。
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